川で遊ぶ子どもに未来を託したい〜赤松川その3
赤松川との出会い ◆谷の水は冷たい ◆子どもたちに託したい ◆春を探す ◆大人の避暑地 ◆足を浸ける潜水橋 ◆赤松川周辺地図 ◆撮影地周辺地図

オルカ乗りは楽しい。

気持ちよさそうだな、おまえ。
 
どっちが犬だ?
  いつも3人で遊んでいるんだ。
   川で遊ぶ子どもに未来を託したい

もはやこの国は財政破たんの危機に陥っている。開発に明け暮れた高度経済成長のほんの数十年で、何代にもわたって育んできたこの国の自然(というよりも自然と向かい合った暮らし)は消滅していった。このときに建てられたコンクリート製のダムや道路が十数年〜数十年先には老朽化する。しかしその補修をする余力が国にある保証はない。

だから地域の人たちの手で何世紀を続けられてきた伝統工法に学び、持続可能な国づくりに転換しよう。百年〜数百年の期間で費用対効果を判断するシステムに改め、ダムに依存する河川政策は中止し、流域全体でソフト面の災害対策を充実させる。

こうして水辺に子どもの姿が戻ってくる。もともと子どもは水が好きだ。川は確かに怖いけれども、知ろうとしないでただ怖がっているだけでは友だちになれない。子どもは川で遊び、身体全体で自然の摂理を無意識に学んでいる。その体験は、きっと将来の国土保全の実践者となってくれると信じている。

ぼくはダムのなかった頃の那賀川の清冽さを知らない。しかし赤松川や木頭村の本流を見ていると、あの水がずっと下流まで流れていたことを想像し、胸が熱くなる。少しずつ夏の太陽の光と子どもたちにあたためられながら。

←前へ 
この写真は1990年の夏休みに訪れたときのもの。ここに写っている子どもたちも成人して都会へと出ていっただろうか。故郷を出てわかることがあるかもしれない。もしかして何人かが都会の知識と経験を持ち帰り、地区の伝統を織り交ぜて新しい風土をつくるかもしれない。

 Copyright(c) 四国の川と生きる All rights reserved