白保の珊瑚は水中から |
白保に着いてさっそく船着場付近の海底を見た。どこにでもある浜辺でこれが白保の海かと首をかしげる。ところが、船に乗って少し沖に出てさらに数百メートル北上すると水中の風景が一変する 白保のリーフでは、満潮時に船を出して潮位が高いうちに戻らなければならない。ポイントはリーフの外洋近くにあり、潮が高いと外洋までの距離が相当ある。 干潮時には珊瑚礁が露出するか水深が浅くなるが、人が歩くと珊瑚を傷める。だから満潮時を選んで船で行くのがいい(ただし船主によってツアーの質に差があるのでは?)。 珊瑚礁内なので岸からたどりつけないほどの距離ではないが、そこに行くまでに疲れてしまう。リーフ内といえども潮流が早いときもあれば、沖に向かう流れが発生することもあるのでそれらの対処法を知っていなければならない。白保の海をよほど知っている人でなければ、渚からの接近は見合わせたほうがいい。 白保へ行ったのは、四月二十三日(大潮)。水温が低いからシュノーケリングをする人はウェットスーツを持っていたほうがいいと聞いたが、実際に水着のうえにTシャツとジャージとゴーグルで水に入ってみると、それほど冷たい感じはしない。決して温かくはないが、一時間ぐらいなら水に入っていられたし船に上がっても寒いと思わなかった。 (同じ船に乗船していた観光客。船に備え付けのライフジャケットを付けて浮かんでいる) 海中には枝サンゴやテーブル珊瑚、そして赤、青、緑、黄色、黒の熱帯魚が群れる。そこへ日の光が差し込んでゆらめく一瞬、白保の海と一体になれる。八重山の海は、海のなかから見たい。 三点セットは、体力の消耗を防いで長時間楽しむための装備である。身体の露出を抑えて日焼けと怪我を避けるために、(都会からリゾートを楽しみに来た人たちのように)水着だけのシュノーケルはやめよう。早い潮流に備えるためには足ヒレも使える。こうした自然現象を理解したうえで、流されたときにパニックになることなく冷静かつ的確に対応したい。 (何もしなくても魚は寄ってくる。水深1メートルぐらいの場所で) だけど、ぼくはいつでもゴーグルひとつで水に入る。四国の川で遊ぶときには三点セットは使わない。水流に足ヒレが邪魔をするし小回りがきかないから。海ではそんなこともないが、それでもなにかを装着している違和感はある。四国の海では季節によってはTシャツとゴーグルで波に漂うよう。三点セットとウェットスーツを着ると長時間の水遊びは確かに快適になると思うが、シュノーケル呼吸は意識して普段より深い呼吸(腹式呼吸)をしないと口だけの呼吸のシュノーケルは快適に使えない。慣れは必要だ。 ウェットスーツは水温が低い時期には低体温症を防ぐし怪我や日焼けから身体を守ることができる。ただし使ったことがないだけに、どんな製品をどんな基準で選べばよいかわからない。ぼくの用途なら3ミリぐらいのロングジョンがあれば十分ではないかと考えているが。ただ春先の川で遊ぶなら、5ミリかセミドライスーツが必要かもしれない。 でもぼくは、水と戯れたいと思ったときにゴーグルひとつで地球の水辺と遊ぶ。世界で二番目に大きいポリネシアのランギロア環礁に行ったときもそうだった。束縛がない自由な身体感覚を浸るように、海のなかをアシカのようにくねくねと散策する。ときどきサメもいるが気にしない。熱帯魚が反転するとぼくも反転し、魚が潜るとぼくも後をついて行き、酸素が欲しくなると水面に顔を出す。すると、太陽と陸の景色がなつかしく迎えてくれるから。 △戻る |
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