海部川2006年5月 夕暮れの河原でフリスビー

水面をぴょんぴょんと跳ねていく石投げぐらい楽しいことはありません。
ときの経つのを忘れてもくもくと投げ込みます。
石を探し、精神統一して水面低く鋭く投げる。
全身をリラックスさせ、手首を脱力して腰の回転を利用しながら
遠心力とムチの応力で投げると肩に負担がかからないばかりか、
石ころに水平方向の回転運動が生まれ、
水面を滑る力となります。
ですから、翌日に腕が筋肉痛になるような投げ方は、
まだまだ石投げのコツを会得していないということです。

飽きもせず石を投げていましたが、今度はフリスビーです。
100エンショップで売っているものですが、これがおもしろいのです。
こども、背の高いこども(おとな)も夢中になっています。

実はこの人たち、河原で出会った知らない同士です。
夕暮れの河原がそれぞれを接近させるのでしょう。
夏になれば、厭世観を感じさせるヒグラシが聞こえてきます。
星がひとつふたつと輝き出す頃、静かな川の時間です。
ぼくも輪に入れてもらいます。

(おっと、川へ落ちたのを拾うのは、長靴を履いているぼくの役割のようです)

フリスビーは投げるだけじゃない。
直接手渡す(父から娘へ無言の愛? 今だけかも)方法もあれば、
時が止まって見えたり
河原の小枝で皿回しをするのも(器用に回していますね)。
「苦しくったって♪」「行くわよ」の部活時代を思い出し、
少女のような瞳で見つめることも?


海部川を含む南阿波地域(海部郡)は、可能性に満ちた地域です。
大前研一さんの2005年の著書「遊ぶ奴ほどよくデキる」には、
「(1)気候が温暖、(2)生活費が安い、(3)豊かな自然、充実したリゾート施設など都会生活者が羨む環境が揃っている…という条件に合致する場所を国内に絞って探してみると紀伊半島南部、高知の四万十川周辺、魚のうまい徳島の鳴門、鹿児島県の指宿、長崎鼻などが候補地として最適だ」
と書かれています。
海部郡は、京阪神からクルマで3〜4時間圏内です。
大前さんがもし南阿波に来ていたら、同じような感想を持ったのではないでしょうか。

カヌーエッセイスト野田知佑さんは、終の棲家として日和佐町(現 美波町)を選びました。温暖で透明な海、山、清流の織りなす風土です。

20代に全国を歩いた陶芸家の梅田さんは、
究極の田舎暮らしができるのは、室戸岬から40キロ圏内
として宍喰町の野根川ほとりの廃校に住んでいます。

最近では、IT関連で専門家から高い評価を得ている企業を経営している夫妻が日和佐に移住され、新たな試みを考えられています。地域を元気にするプランなので成功するといいですね。

このようにIターンの人たちを魅了している南阿波海部ですが、地元では、滞在型観光、体感型観光をめざして地元の人たちが「南阿波よくばり体験推進協議会」を立ち上げ、修学旅行先としてアピールしています。
南阿波体感は、こどもたちにとって、かけがえのない思い出となることでしょう。

さらに、海陽町在住の知人、wildwolfさんが地域活性化を願って作成したサイト「青海波」のコンテンツをご覧ください。

みなみ@徳島」(徳島県南部地域の観光レジャー情報)もあります。

海、山、川の魅力を味わうために、高校のときから自転車で通っている本Webサイトの管理人です。
そして、海部には、浜節句やアンロク、アラメなど魅力的な素材がたくさんあります。食文化を伝えていきたいですね。
人と自然が渾然一体となった海部です。

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