東祖谷と三嶺・探訪絵日記その8
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雑木林のなかを登っていく。車を林道終点に止めれば1時間半だ。
心なごむ森の風景。
頂上近くの池。近くにヒュッテがある。徳島新聞がキャンペーンを張った?せいか、老朽化した小屋は県によって建て替えられることになった。
あと一息で三嶺山頂(1892メートル)。初夏にはコメツツジが美しい。
西熊山、天狗塚へと続く尾根の縦走は口笛を吹きたくなる天上の楽園。

 村人によるソフトが振興策

 三嶺登山には心が弾む。体力を要する南斜面からとは違い、名頃ルートはピクニックのようである。もちろん山の天候は急変する。三嶺は過去に何人もの山人の命を奪った山であることは忘れてはいけない。

 誰でもこの山に登る必要はあるのだろうか? オリンピックのマラソンで優勝する選手もいれば、五体不満足でのびのびと生きる人もいる。誰もが山に入る権利はあるけれど、だからといって誰もが行く必要はないような気がする。

 都市部の人たちが村の振興策に意見を述べるときは慎重な態度が必要だと思う。メッセージが受け容れられるためには互いに信頼関係を築いておきたい。そのためにはすべての情報が公開され意見交換の土壌が整うこと、そして立場を入れ替えて考えることが必要。それが人間同士のコミュニケーションである。

 村の振興策が必要ということ、地元で開発して地元で運用していくソフト(しくみ)が必要ということは万人の共通理解だろう。例えば、エコツーリズムのように観光資源を地元のために活用する持続的なプログラムがある。

 山村の問題は都市の問題であり、都市の問題は山村の問題であると気付くこと。まずそこから始めてみたい。

 M夫妻の呼吸が乱れてきた。周囲は高度感を増し巨岩を配した雄大な風景が現れた。頂上まであとわずかである。

 あいにく天候が良くない。その分、光はやわらかく人物にまわる。頂上近くの池は氷が張っていた。かつてこの池にカヌーを持ちこんでした人がいると噂に聞いた。頂上まであと一踏ん張り。

 足取りも軽く付いた頂上で記念撮影。取材は無事終了した。多くのことを考えさせられた祖谷紀行であった。


 さらに詳しく東祖谷山村を知りたい人は、地元出身の人がつくった熱意あるサイトをご覧ください。
 http://www.east-iya.com/index.html
(2021年時点で別コンテンツになっているのを確認。リンクをたどらないでください)


       

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