「電子メールで地域情報を豊かな表現力で発信する」(2000年8月)
電子メールの原則はテキスト送信ですね。ところがテキストといっても、巧みに記号を組み合わせて顔や巨大な文字を作ったり、多彩な表現が可能です。経営の本筋とは関係ありませんが、ちょっとお遊びとして…。

 下は実際に作成して7月にお送りした案内文です。実際にこのメールを読んで現地を訪れた人が約20人ありました。来た人の感想メールを巻末に載せますね。でも掛け値なしにすばらしい一夜でした。ぼくはもうからだがふるえるほどの感動でした! 生きててよかった〜。

以下本文

☆皆既月食エコツアーのご案内(前編)

 office空と海です。今回の皆既月食について、観測場所をお知らせいたします。まずは、皆さんに皆既月食の疑似体験をしていただきましょう。


→月食が始まる前・・・満月の光に隠されて星はわずか

           (↓これが満月)
          
            ○      ☆      
      ☆              ☆
 ☆                ☆                

→皆既月食が始まった・・いっせいに星々が輝き出した!

          (↓皆既月食に入りました)

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 マイナス12等の明るさを持つ満月そのものはどこでも見られます。しかし皆既月食の楽しさは、
(1)地上の景色が演出する月の欠け具合の妙味
(2)微妙な皆既中の色彩の観察
(3)月が隠れると同時にいっせいに輝き出す夏の銀河と星々

 このことから、空気のきれいな場所で、南が開けている場所、しかも車が止められる場所、さらにトイレを備えていることも必須です。その条件を備えた場所で市内から近い場所として、徳島市南部の波羅尾(ばらお)峠一帯がありますが、本日のタウン誌サララに紹介されたので混雑が予想されます。

 それでは発表します!

 室戸阿南海岸国定公園の真っ直中に位置する日和佐町の外ノ牟井浜(とのむいのはま)です。

 徳島市内から1時間という距離にありながら、美しい浜辺に隣接する静かな場所、南は海で海から昇る星々を眺めることができ、駐車場にゴザを引くもよし、渚で二人だけの時間を過ごしながら流れ星を数えるもよし、の絶好のロケーションなのです。

 一昨年11月、ジャコビニ流星群を10人ぐらいで見に行ったときのこと。平日の真夜中なのに、日和佐から牟岐にかけての無人の海岸線「南阿波サンライン」は、京阪神ナンバーの車で渋滞したことがありました。あの時は、南へ行くほど天気が良いということ、地元の人しか知らないこんな場所に県外からこれだけ多くの人が訪れたことは驚きでした。

 昼間は水の澄んだ浜で泳ぐこともできます。山ひとつ越えて歩いていけば、あの河童のげんさんの主宰するほたる村(子どもたちに人気ですね)があり、この春から住み着いているカヌーエッセイスト野田知佑さんの終の棲家があります。

 日和佐川の知られざるキャンプ地で過ごすのもいいでしょう。そうめん流し、テナガエビのスープ、トマトベースの山菜と鶏肉の煮込み料理・・・。石ころにペイントしたり、ボンドで石造りの工作をするも楽し。ただしローインパクトを心がけるので花火とバーベキューはしません。そういえば、絵本作家梅田俊作さんのお家も日和佐川のほとりにあります。

 誰でも参加歓迎です。お友だちに教えてあげてください。行きたいけど足がない・・・という人もご連絡ください。車の調整をつけてみたいと思います。

 なお、日曜日の昼過ぎから出かけ、昼間は遊んで夜は星というパターンになるかと思います。終わりは三々五々。早めに引ける人は 22時ぐらい、最後まで見守る人は0時過ぎでしょうか。

 皆さんからのご意見を聴いて、待ち合わせ場所、あったらいいもの、その他連絡事項を後編でお届けします。


 参加された方の感想メールです。

> 感動の一夜でした。
> あんなふうに夏の夜を過ごす贅沢を初めて経験しました。
> 皆既月食を観測するのも初めて!
> その上、天の川 流れ星も初めてでした。
> 本の上でしかというか知識としての星座しか自分のなかに
> なかったので一つ一つの星座があんなに大きなスケールだというのも
> びっくりです。(せっかくの星のレビュウをみられなかった人、損しましたョ。)
> 翠の尾を引いた流れ星を見た時は思わず大声が出ましたね
> 何から何までお世話になりました。
> 出掛けるまでバタバタと親子喧嘩をしていたのに
> 共有の感動ですっかり忘れて帰りました。
>


■今度は観光案内です。全国的なメーリングリストに流してみたところ、これまた25名が、東京、千葉、神奈川、京都などから来られました。私設ボランティア観光協会といったところです。もちろん接待キャンプとなりましたが、来られた人たちは心底海部川に満足しておられましたよ。このあと、参加者の間からメーリングリストができて、それぞれが旅行記をアップして楽しい思い出となりました。え、何かロマンスはなかったかって?(聞こえないフリ)

顛末はこちらに
*****************************************以下本文


■電子メール・コミュニケーションのこつ

(1)ピンポイントに欲しい人に欲しい情報が届けたいが、どこにいるのかわからない。
(2)とりあえずは、興味のいそうな人が多くいるところ(上の例では、アウトドアの好きな人が集まるメーリングリストへ投稿。あとは個人ルートで)。
(3)とはいえ、一度に大量の情報を送らない。興味ない人もいるから。
(4)まず興味のある人に手を挙げてもらうこと。
(5)そのためには、追加記事(特典情報)を用意しておき、希望者にさらに詳しい情報をお送りすることを約束する。
(6)こうして、情報のパーソナル化が可能となる。
(7)そう。経営の本質は遊びなんです(きっぱり!)。


 遊びの世界も商売も同じなんですね。海部郡にささやかなファンができました。あの人たち、来年も来るって言ってた。素材がいいからどんな情報でも反応してくれるんですね。

 県南の観光は、一度に1万人呼ぶ施設をつくるんではなくて、一度に10人のファンをつくることを繰り返すこと。そんな親密な関係を築けたらきっとリピーターになってさらに多くの友人を連れてくる。自分だけの物語をつくるためにそこへ足を運ぶなんていいじゃない。ところで自分だけの製品やサービスに会える企業や商店てある?

 こんなふうに、情報提供して来られた人をおもてなしするのはとっても楽しい。もちろん誰も表彰してくれないけど、海部川や日和佐の海が感謝してくれてると思うと、うれしいな。人の世話ばかりで少し寂しいけど…。

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