海部川下流写真集

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海部川橋の向こうに河口が見えている。
この河口は、有名な海部ポイント。10フィートの波が立つということで、世界的なサーフィンの場所となっている。

撮影したのは国道に架かる「新海部川橋」の上からだが、流れの揺らぎを通して水底まで透きとおっている。海まであと数百メートルの地点。

山で生まれた水に含まれる広葉樹の森のミネラル。それに何も足さず何を引かずに海へ届けられていたかつての日本の川。

もう人里まれな離島(例えば屋久島など)や三重県や四国の一部などでしか見られなくなってしまった光景かも。

一枚の写真は無言で語りかける。

 

海部川下流の秋の風物詩は、アユのエサ釣り。シラスをエサに、撒き餌はそれをつぶす。釣場のあちこちでトントントン…と音がするのは、まな板でシラスを刻む音。たくさんのボラが集まってきた(左)。
竿がしなっている(右)。アユではなさそう。感潮域なので海の魚かも(右)。

 
支流母川に入ったすぐ。向こうに海部川の水面が見える。海部川の広い河原と、ほとんど河原がない母川の対比。なんとのどかな光景。浅い流れに長靴をはいてアユのエサ釣りをする。秋の陽射し、心地よいそよ風、やろよろとヤ行の音を響かせる水音(左)。

母川は、海部川の伏流水が流れを支えている。支流でこれほど生態系が異なるのも珍しい。こんな小さな川なのに、母川には体長2メートル近いオオウナギがいる。その生息地がせりわり岩と呼ばれる場所(右)。ここから母川は竹林を洗うように視界から消える。


水草のなびく様子に癒される。せりわり岩周辺を除いて母川は水深が浅い。そして水草がなびいている。ナマズが多いのはここ最近の傾向だ。


 
同じ日の海部川中流。山に抱かれて海をめざして蛇行する存在感。民宿リバーランズも夕陽にたたずんでいる。


 

JR鉄橋の付近で、母川と海部川が出会う。新海部川橋のすぐ上流で並ぶように海部川を横断する。

最後は甘いもので。地元の人が耳打ちしてくれた。地元の人による手作りの「いなかういろ」。もともとこの辺り(大里松原)の家庭でつくっていたもの。買えるのは、新海部川橋のたもとのショッピングセンター「ピア海部」。

下流俯瞰図  下流俯瞰図(地図付)