コバルトブルーにたたずむ穴吹川(12.30更新)
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なぜ穴吹川は美しい? 四国一の清流という看板を背負っている川。確かにそのことに誰も異論はない。しかし穴吹川程度の水質を持つ川は四国内にたくさんあることも事実。それではなぜ穴吹川が話題になるのか。 それは、国土交通省が管轄する河川だから。同省の管理下にある川を一級河川と呼び、都道府県管理を二級河川と呼んで区別するが、地勢的な意味合いはなく管理主体が違うだけ。穴吹川は、吉野川という一級河川に注ぐ支流なので一級河川の扱いを受ける。二級河川については言及しないので、四国の一級河川のなかでベストという意味である。 穴吹川は、剣山南面に源を発し、穴吹町で吉野川中流へと注ぐ全長41.9キロ、流域面積202平方キロメートル。木屋平村と穴吹町を通過するその流域人口は推定約8千人。吉野川との合流点付近を除いては河原はあまり発達せず、谷間の美しい流れである。 水質は、全長36キロで流域人口が8千人程度の海部川とほぼ同じぐらいである。ただどちらかの川も小さいので、「清流」目当てのキャンパーが大勢押し掛けると、その負荷が目に見えて感じられ、「それほど透明ではなかった」と感じることもありうる。 「モノより思い出…」の日産セレナのCMロケ地が穴吹川という噂がある。また、伊藤園の「お〜いお茶」のロケ地に使われた。確かに子ども連れがピークになる夏休みの混雑はひどい。一日1万人の入込客があるらしい。もともと大きな河原はなく、しかも河原に降りやすい区間が短いため、吉野川との合流点付近からブルーブィラ穴吹辺りまでは水遊び銀座となる。 かつてぼくは、1997年にカヌーエッセイストの野田知佑さんが雑誌OUTDOORの取材のロケハンに同行したことがある。このときは、四国の川を知るぼくでも目が釘付けとなるような清流ぶりであった。おそらく台風一過のあと川が清掃されたもので、このときの穴吹川のたたずまいは生涯忘れらない。それに楽しい人々とのロケハンだった。 → 穴吹川ロケハン記 穴吹川を生み出している上流の山村にも目を向けたい。 (参考) → 徳島新聞の連載記事「四国一の清流穴吹川から」 → 徳島新聞連載「過疎の村木屋平から」 後者は、徳島新聞の友人の記者らが書いた良質の記事。淡々と綴りながら問題提起と山里の情感が感じられる。上流の現状をみると、森に思いをめぐらせるきっかけとなる。 |
吉野川本流との合流点付近。 吉野川の夕暮れは雄大だ。 浅瀬から徐々にコバルトブルーに移りゆく川の階調(リバートーン)は、穴吹川の代名詞。 遊び場としてこれ以上楽しいことはない。なんたって水の向こうが見えるんだから。(ブルーヴィラ穴吹付近) こんな仕掛けでモクズガニを捕る。 |
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