技術者の誇りが感じられるポールペン物語〜これでたった210円?

シルバコンパスは世界のベストセラー。昨年夏にツキノワグマの真新しい糞を見つけたとある木沢村のブナの森


3000haといえば、高気圧の親分? ガスによる圧縮空気がインクを押し出す


アウトドアでも使いやすいから連れ出してみよう


ボールペンでここまでこだわるのは、ファンタジーかも


仲良く寄り添うスタンダートノック式の黒とスタンダート式の赤


→メーカーのWebサイトはこちら



メモを取るボールペンに求められることは?

ぼくは、筆記具を大切にしています。
「メモをする」ことが仕事の一部となっているからです。
メモに必要なのは、
ポケットにさせる軽い筆記具であること、
書きやすいこと、速乾性であることでしょう。

書きやすいという点では、
グリップに工夫をした太いボールペンが
各社から出回っています。
腕の疲れを軽減するというのが売り文句ですが、
太さが災いして細かいペン先のさばきがしづらいようです
(きれいな字が書きにくい)。

マイナス20度でも書ける?

ところが、いいポールペンが見つかりました。
「三菱のユニ・パワータンク」。
書き味がなめらかで字がくっきり。
上向きでも書けるので
病気やけがでベッドで寝ている人も
寝たままで書けるでしょう。濡れた紙にも書けるし、
マイナス20度でもインクが出るというのです。
速記してもかすれません。

アウトドアでも威力を発揮します。
地図とコンパスを頼りに藪を進む登山では、
汗で紙が湿って書きづらいし、
気温が低い冬の登山ではインクがかすれがち。
そんなときにもこの製品は対応できそうです。
野外での行動や
制約ある条件での筆記が必要な人には朗報でしょう。

圧縮空気がつくりだすスケートリンクのような書き味

その秘密は3000気圧の圧縮空気が
インクを押し出しているからとのこと。
油性なので書いてすぐにこすっても大丈夫。
重さにして12グラム程度で
持ち運びもしやすくなっています。
握ってみると、
独特の形状のグリップがしっくりと指になじむし、
重心が低いせいか動かしたときに軽く感じます。

グリップの形状は2種類あります。
すぐにさっと使うときにはノック式、
机上などで事務用品として使うときには、
差し込みノブが取り外せる
キャップ式が良さそうです。
ぼくは取材用にはすばやく使えるノック式の黒、
校正や朱入れ用にはキャップ式の赤を使っています。

欠点があるとすれば、
書き始めがかすれることがたまにあります。
しかしすぐに
スケートリンクで遊んでいるような書き心地となります。

たった210円、されどモノづくり

驚くなかれ、
これだけの性能のポールペンがたった210円です。
ペン軸は再生樹脂を使用したもので、
使い捨てではなく換芯も用意されています。
インクの減りもひと目でわかります。
ぼくは、日本の技術力の優秀さに感動しました。
安価な一本のポールペンですが、
モノづくりにかける技術者の誇りが感じられます。

(商品テスト・レポーター 平井 吉信)
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