人気のSOHO、こうすれば発展する
以前にお伝えしたSOHO実態調査の報告書ができました。その概略をお伝えします。
1.調査に当たって
地域経済の発展に多数の情報技術者が必要なことは疑いありません。そこで(社)中小企業診断協会徳島県支部では、SOHOを「企業に属さない個人起業家や自営業者などが情報通信ネットワークや情報通信機器を活用し、自宅や小規模な事業所で仕事をする独立自営型のワークスタイル」(通信白書)と定義し、地域社会とSOHOのかかわり方を追ってみました。
2.調査方法
四国内のSOHOの実態は未だ明らかにされていません。そこで活路をオンラインアンケートに求め、民間最大手のメール配信サービスを利用して四国のSOHOに呼びかけました。さらにグループインタビューの結果を加味してSOHOを類型化。それぞれがどのような課題を抱えているか、またその発展の方向性を提言。さらに地域でオンラインショップを運営してのSOHO実践を試みるなど、アカデミックではない啓発的、実践的な内容を心がけました。巻末にはSOHOリストも掲載。印象的だったのは「SOHOをしたい!」という潜在的な希望者がたくさんいらっしゃったことです。
3.調査結果の要約
SOHOと一口で言っても、何らかの事情でフルタイムの仕事に従事できないが、社会への参画を果たしたい「在宅社会参画希望型」。在宅でインターネット等を活用して起業をめざしている「在宅起業志向型」。さらに長年情報技術関連に携わってきた人たちが会社から独立した「特定企業請負型」の3つに大別されることがわかりました。しかも前二者は女性が多く比較的低収入、後者は男性が多く収入が多いのです。
在宅社会参画型は、社会との接点がカギとなるでしょう。有償ボランティアとして、NPO、NGOへの情報化支援や初心者向けインストラクターとして地域社会が支援活用する施策があればいいですね。またその人たちの受け皿となってパソコンインストラクターを派遣するNPOの設立なども考えられます。
在宅起業志向型は、インターネットの活用はもちろんのこと、地域での営業活動がカギ。プレゼンテーションや人脈づくりなどのビジネススキルづくりが大切です。専門スキルを磨いてネットワークとして機能させていくことで将来の発展の布石となるでしょう。
特定企業請負型は、企業としての態勢づくりが課題。そして不特定多数の企業に向けて提案型の営業が欠かせません。生活者が主役のWebコミュニケーションから学べることも多いでしょう。自らの技術をコミュニケーション社会とどう調和させていくかが問われています。
以上の3者がさらに発展したオープンな協働ネットワーク型として、多数の専門家によるコラボレーションワークも出現するでしょう。
専門性とビジネススキルはどのSOHOにも求められる自助努力ですが、施策の面ではSOHOの教育研修機関(研修プログラム)やマッチング機関の運営支援などが必要と思われます。この報告書が地域経済に不可欠なSOHOを活用した発展の指針となれば幸いです。
「四国SOHO実態調査」を入手ご希望の方は、(社)中小企業診断協会徳島県支部(088-622-7521)またはメールで下記まで。価格は1500円(税込)、送料は1冊160円です。
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