「自分で自分を雇用したいさ〜」
東京の女性コンサルタントとの会話から。「創業支援(創業塾)てやること決まっているよね。でもよく考えてみると自分が創業したときにプランをつくったり数字を練り込んだりしなかったなあ」(ぼく)。
「わたしもそう。あんなむずかしいプランをつくったり、創業計画書や数字の見積もりはしなかったわ」(彼女)。
紺やの白袴という落ちに終わらせずにもう少し続けてみよう。ではどうしたかっていうと、「最初の数ヶ月は、先輩のコンサルタントに同行して現場で仕事を見せてもらった。そのうちこれならわたしにもできる、独立しようと思った」(彼女)。
ぼくが創業したときは「徳島でそんなもんで飯食えないよ」と言われたけど、逆に言えば、耕されていない広大な畑が目の前に拡がっていたって感じ。一度も営業することなく実績を積み重ねて畑を開墾してきたかな。なにごともやってから悩めば?というのが創業経験者としての感覚です。
これから創業する人たちが自らの手でビジネスプランをつくることで「自分の仕事を客観的に見る目」を提供するのが創業支援策(創業塾)の役割だと思います。
でもやっているうちに軌道修正(試行錯誤)する方法を学ぶことが、緻密なプランづくりよりもっと大切ではないでしょうか。何人かの創業を見守りましたが、うまく行っている人は約1/3ぐらいですが、共通しているのはビジネスコンセプトがわかりやすい(独自の土俵をつくっている)こと。創業して3年の壁を乗り切れば上々でしょう。
アルバイト程度しか経験のない20代女性姉妹が徳島市内で。カフェを開業した事例では、当初、禁煙のカフェなんて止めたほうがいいと周囲は猛反対したそうですが、ぼくは数少ない賛成者で背中を押しました。結果は大成功。お客様を選ぶ店がお客様に選ばれるという真実をご存知ですか?
失敗例も見てきました。当初のコンセプトがどんどん希薄になっていくパターンがその典型。あれもこれもお客様に言われるから取扱商品やサービスを増やす。そうすると資本利益率の低下とイメージの希薄化を招き、自分の土俵が見えなくなっていく。こうなれば、せっかく自分の会社をつくってもパートに出る日々となるかもしれません。
当初のコンセプトはもちろん大切ですが、それが徳島で受け容れられるかどうかを吟味することよりも、そのコンセプト(独自性)をいかに広めてファンをつくるか、いかにお客様を教育するかを考える。絶対に譲れないところはどこか、柔軟に変更させていくところはどこかを見分け、的確に変化させていく感性と感覚。そしてその裏付けとしての数字の読み。この辺りを創業間もない人とともに考える私塾を始めてみようと思うこの頃です。
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