「仕事に使うパソコン〜その2」


 仕事のうえで、メールでのエクセルの添付ファイルのやりとり、急ぎでないがメモしにくい伝言などメールの重要性が高まっています。また情報を求めてインターネットでの検索を一日に何度か行うことも当たり前になってきました。ぼくの仕事でも県外の見知らぬ相手先から仕事の依頼が舞い込むことがあります。そんな便利なインターネット環境ですが、情報の保全という点で注意が必要です。

 ウィルスメールが多いときは一日数十通あることも少なくありません。感染すると再インストールが必要なことが多く、場合によっては気付かぬうちにデータが消失/流出することもありえます。顧客情報や得意先の営業情報など社内で極秘にしておくべきデータは安全に管理されているでしょうか?

 顧客情報の流出は企業の信用問題であるとともに、事業の存続に関わる結果をもたらすこともあります。どれだけ安全対策を取っていてもいつかは事故は起こりうるもの。顧客が損失を被る恐れのある欠陥や個人情報の流出が明らかとなった時点ですみやかに公表して対策を取らなかったばかりに経営困難に追い込まれた事例がここ数年だけでもいくつもありますね。迅速かつ的確な対応こそが顧客本位の姿勢を訴え、一時的に業績は落ち込んだとしてもむしろ好感度を高めるいい機会です。その意味で、遵法経営を理念に盛り込み、全員が顧客を大切にするという風土を共有していることが大切です。

 ITの活用は便利な反面、ひとたび間違うと恐ろしい結果をもたらすことを想定して対策を取る必要があります。事業規模によっては不要な項目もありますが、次の項目についていかがでしょうか?

  • 社内のIT使用規定と管理者の設置などによるITセキュリティの啓発
  • データを日々バックアップ(ファイルサーバーや別ドライブHD、DVD-RAMやMO)
  • バックアップメディアの保管(磁気や光を避けて適切な場所で管理)
  • インターネットへの接続には信頼度の高いルーターを用いる(ADSL以上は必須)
  • 社内の基幹業務を行うパソコンはインターネットに接続しない。
  • ウィルスチェックやファイアーウォールなどの感染や侵入の防止
  • OSやアプリケーションなどのアップデート
  • 作成中のデータは、こまめに上書き保存を行う(停電やフリーズ対策)
  • ハードディスクのエラーチェック(毎日)
  • ソフトのインストールやファイルの変更、共有など管理権限の適切な設定
  • パソコンへの物理的な接触や衝撃、振動、ホコリを避けて設置
  • 事務所のホームセキュリティーの確保(ディンプルカギや警備会社との契約)
  • 使用者認証や必要に応じて暗号化のしくみを取り入れる

 故意はなくてもあなたが知らぬうちに加害者になったり被害を受けたりする恐れを未然に防ぐとともに、トラブルに遭遇しても業務が滞らないしくみをしっかりとつくって運用していくことが求められています。

 メール連絡がごく当たり前になってはいるものの、ビジネスメールの書き方についての講習を行っている事業所は少ないのではないでしょうか? ときどき送られてくるメールの文体や体裁に首をかしげることがあります。
 またマナー違反ではないにせよ、読みにくい書き方をしていることも少なくありません。
タイトルの付け方、アウトラインや見出し、読みやすい改行などのわかりやすい体裁も必要です。機種依存文字や半角の日本語カナ漢字を使わないのも常識。
 大切なデータや守秘義務のある情報を送る機会も増えてきました。そんなとき送信先を指さし点呼で確認することは基本です。もし間違えて相手先の競合関係にある事業所に送ってしまったらどうなるでしょう。社員一人の失敗で取引関係がおかしくなることもありえます。
 相手が見えないため、文字が独り歩きすることもあります。電話と違って文字はあくまで記号。こちらの意図とは異なる印象をもたれたら失敗です。ちょっとした文言の気配りで相手に届く印象は俄然変わってきます。
 ITがコミュニケーションの道具である以上、スタッフのIT親和性を高めることが、社内外のコミュニケーションや信頼を高めることにつながります。費用はかかりません。社内で検討委員会を設け、セキュリティとコミュニケーションの両面を検討し、できることを始めてみましょう。


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