地球温暖化防止、本気でやりたい


 地球温暖化防止は、個人の心がけで劇的に良くなる可能性があります。そのために何をすればどんな効果があるのかを知ること、それを継続的に実行し、できたかどうか成果をチェックできれば理想です。

 ひとりでやっていては続かないなら仲間と励まし合ったり、誰かに見てもらったりするのもいい方法です。そのためにホームページやブログで自分でやりたい地球温暖化防止策を発表します。いまこの地球上で何が重要課題なのか、その解決に向けてどれだけ本気で取り組んでいるのか、その姿勢を見てもらう場でもあります。地球温暖化防止にかける本気度がホンモノであれば、個人や企業の評価(イメージづくり)にもつながります。いくつかの動きを紹介しましょう。

「チーム・マイナス6%」は、環境省地球環境局によって運営されているWebサイトで、チームへの参加を以下のように呼びかけています。「京都議定書で約束した6%削減目標。それを実現するための、家庭でのCO2削減目標は、年間約3,800万トン。オフィス等でのCO2削減目標は、年間約6,900万トン。ライフスタイル・ワークスタイルを見直せば、十分達成できる数字です。1人、1日、1kgのCO2削減。家庭や職場から地球を守る。そんな意気ごみでがんばりましょう」。現時点で、120万人を越える個人、1万3千を越える団体が参加しています。参加者は、バナーをホームページに表示することができます。

「徳島夏のエコスタイル」は、徳島県が提唱しているもので、冷房設定温度を28℃とし、仕事はエコスタイル(ノー上着、ノーネクタイ)で行うことなど、それぞれができることを県内の企業や団体が宣言して参加します。残念なのは、参加団体が現時点で50にも満たないこと。クールビスの採用は、冷房のため冷え性に陥っていた女性社員から歓迎されて社内の評判は上々。それまではネクタイや上着着用の男性に合わせて冷房温度が低めに設定されており、一日中オフィスで作業する女性スタッフには思いやりを欠く結果となっていたからです。参加者はバッジやスタンドで雰囲気を盛り上げます。(問/ 徳島県環境首都課 088-621-2210) 

 実態を知るためにわかりやすく書かれた書籍があります。ブッシュ氏と大統領の座を争ったゴア前副大統領の著書で「不都合な真実」。写真や資料等の客観的なデータが示され、直感的にも論理的にも理解できます。ゴア大統領の実現を望む声は小さくないと思われますが、著書は政治的なメッセージではなくゴア氏の信念からの行動といわれています。

 企業や家庭では、目標数値を決めてチェックするだけで経費は減少します。例えば、家庭内に太陽光発電を取り付けたとしましょう。太陽光で賄う分だけ発電所の電気の使用量は減少します。しかも副産物があります。それは、居間などに設置された使用量のメータを眺めていると、無駄な電気の使用がないか気になって、こまめに消すようになるというもの。
 こまめに消してもまだ無駄な電気を使っているとします。原因を探ってみたら、リモコン接続機器における待機電力かもしれないと判明。そこでコンセントを抜く、スイッチの付いたテーブルタップを設置するなどの対策でさらに節減できました、なとど成果を出す過程がゲーム感覚で楽しめるでしょう。

 経営的には、「それは意識の問題」で片づけるところを、なんとか動機付けできないかと考えるのが経営者。意識の問題を顕在化させるために、「見える化」して誰が見てもわかるよう情報を共有するしくみをつくり、みんなで達成に向けて力を合わせ(心を合わせ)、達成すれば派手に喜ぶ。そんなふうに仲間とゲーム感覚で楽しみながら,そこに組織としての一体感が生まれるでしょう。達成時にはポケットマネーからのサプライズなんていいですね。

 さて、これだけガソリン代、重油代が上がってくると、経費に占める燃料代の割合が増えてきます。運輸業のように価格に転嫁できず経営を直撃している業界もあります。デジタルタコグラフのように運行管理や安全衛生管理に役立てる機器を搭載する企業も増えてきました。データを活用することで省エネ運転のノウハウの共有や自分の運転スタイルの改善点などが浮き彫りになります。

 専門機器に頼らなくても、じわっと流れに乗せ、早めにアクセルを離すなど、急加速急減速をしないこと。そしてアイドリングをやめるだけでかなり変わってくるはずです。しかもこうした予測運転は安全運転にもつながり、適切に行えばクルマの流れを乱すこともありません。
 以前にもお伝えしたと思いますが、2006年に1年間アクセルコントロールを実践したところ、レギュラーガソリンのスバルインプレッサ(4AT)で14キロメートル/リットルを越えました。2007年上半期ではさらに伸びています。足の裏、指先でペダルを微妙に力を伝える感覚ですが、それ無意識でやれるようになりました。もちろんクルマのエアコンも扇子で可能な限り代用しています。
 道路の持つ快適な流れを損なうような遅い速度で運転する車を見かけますが、後ろにクルマが数珠つなぎとなり、後続車が絶えずアクセルとブレーキで修正するようになり、道路を走る車全体の二酸化炭素排出量が増えることにもなりかねません。遅いクルマは流れに乗ることを心がけ、それができないなら適切な場所で路肩に寄せて後続車を先に行かせるなどの配慮が必要です。

 環境問題では,何が適切なのかを見極める目が必要となってきます。発電を例に取ると、生態系破壊が著しいダム建設(水力)はもはやありえないし、火力は論外、地震大国日本で原発は危険となれば、電気の使用量を減らすことを電力会社はマネジメントすべきでしょう。それなのにオール電化の啓発は時代に逆行しています。

 燃費の良いハイブリッド車も悪くありませんが、わざわざそのために買い替えるのは疑問。小さな排気量のクルマを賢明に乗りこなすほうがかっこよくはありませんか?

 私の事務所では年間エアコン稼働日数を10日以内という目標を立てました。この実現に向けて、ウチワと扇子を手元に置いて使用しています。熱でやられるとしたら人間ではなくPCのハードディスクですが、毎日バックアップを幾重にも取ることでハードディスクが壊れることもいとわず、「エアコンを使わないこと」を優先させています。

 私は環境問題を技術とお金で解決するというのは好きではありません。もっと地道でアナログ的な解決を人間の努力で行っていきたいです。格差社会は、経済的な貧富だけでなく、ひたむきに社会のために努力をする人間と、社会の足を引っ張る無頓着な人間とに二極分化されるところに根源があるのではと思うこともあります。

 いずれにせよ重点課題を明確にし、どれだけ本気で取り組むか、そこに企業の経営姿勢、あるいは人の生き方が見える気がします。

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