「36歳以上」

 日経BP社が半年に1度行っている「日経アクティブインターネットユーザー調査」を見て不思議なことに気付いた。アンケート調査に応募した人の年齢を見ると、36歳を境にそれ以上の年齢層が増加しているのに対し、35歳以下は相対的に減少している。さらに絶対数は少ないものの、伸び率が著しいのは熟年層である。これは、インターネットに取っつきが早かった若年世代での利用が一巡し、35歳を境にインターネットユーザーの熟年への浸透が進んでいることを示している。絶対数で見ると、31歳以上35歳以下(全体の20.5%)と36歳以上40歳以下(同じく19.7%)の30代ユーザーが4割を占めることも注目される。もし平均寿命を80歳として7つの世代に分けると、30代に全体の4割が集中することを意味する。この辺りにインターネットの本質が見えてくる気がする。

 となれば、今後は30代の動向は注目である。この世代は、子育てにもっとも時間を割かれる反面、仕事では現場の責任者としての役割を担うもっとも油の乗り切った時期である。20代であれば、ある程度自由に行動できるが、30代であればそうはいかない。しかし「したいことはしたい」ので、限られた時間、資金を有効に使いたい。
 また上司や親を見て、お手本や反面教師と考え始める世代である。生活設計に対して注文と義務が多くなることは予想できる。30代とインターネットの関係が示唆する意味については、さらに考察を続けたいと思う。

 日経BPによれば、「前回に続いて今回の調査でもEC(電子商取引)経験者の割合が大きく増加し全体で65%を超えた。なかでも中高年層の経験率も6割に達し、女性の経験率は男性を上回った。このことで、日本のBtoC(消費者向け)のECは、一時の停滞期から第2次の普及期に入ったようだ」としている。
 さらに「定額のインターネット接続サービスの利用が進む一方で、ブロードバンド化に対する期待は切実なものとなっている。「ADSL待望派」が半年で3倍の34%にまで増加、ISDNの人気は急落した。ケーブルテレビと無線に期待する層も合わせれば、8割近くが新たなインフラ整備を待ち望んでいる」としている。
 ネットを利用したマーケティングは、その手法を見直す時期に来ていると判断。これまでの主役だったバナー広告はユーザーから飽きられつつあり、ベテランユーザーほど電子メール広告を重宝している。ところが「これ以上メール配信を増やしたくない」とする意見も少なくなかった点は皮肉である。しかもメール配信は。また、性別やネット経験によって求める情報の種類や内容が大きく異なることが分かったという。
 オンラインショップのきっかけとしては「以前に商品/サービスを買ったことがある電子商店にアクセスして見付けた(15.1%)、その分野の商品に興味があり、検索サイトで商品情報を調べた(13.0%)。 電子メールマガジンや電子メール広告で興味を持った( 9.1% )の順になっている。

 Webに求められるのは、経営に貢献することである。Web制作業者の納品サイトを見ると、費用対効果や経営支援の視点が感じられないサイトがかなり見受けられる。Web=デザイン+技術の視点でしか捉えられていないためだ。もちろんこれには、本質を見る目を持ったクライアント(経営者)が少ないことも一因であるし、従来から常識とされてきたWebの定説が少しずつ覆っている印象も受ける。ホンモノを見極め経営に活かしていただくために、このページを借りて情報発信を続けたいと思う(次回へ続く)。

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