「21世紀のごあいさつ」

 20世紀が終わった。ぼくが生まれ育った1960年代から70年代にかけては、混沌としたなかに強烈な上昇志向が感じられた。「こんにちわ、あかちゃん」…この幸せがいつまでも続いてほしいと満面の笑顔で歌っていた。

 やがて人類が地球を飛び出しアポロが月面に着陸し、列島改造論に沸き立つ高度経済成長の真っ直中、「太陽の塔」は来る時代を告発していた。それからこの国は公害、オイルショックを経験し、バブル経済崩壊から立ち直れないまま今世紀が終わった。環境問題への関心の高まり、大手企業の相次ぐ破たん、Web上に展開される生活者主権の仮想コミュニティ…。これらは何を示しているのか?

 近年になって徳島では地域の持続的発展を願う人々の気持ちが住民投票に結実し、人口2千人の村が絶対に止まらないといわれたダム計画を阻止。各地では改革派の知事が注目を集め、無党派層の台頭が社会を変えつつある。それらは、旧態依然の世界を破壊し無からの出発による新しい秩序を求める人々の気持ちの現れではなかろうか。

 国際会計基準が導入されたが、戦略的に企業価値の実態を反映させる指標が必要となる。そのひとつがEVAであると思う。間接金融への依存度が高まるなかでの起業や経営存続は、明確な財務指針なくしてはありえない。こうしたことを学ぶのは教科書ではない。診断士である前に一人の起業家でありたい。よってEVA、Web、心理学、コミュニケーション、生活者主権をキーワードをしたい。

 独立して3年。こんな時代だから汗を流して笑いと涙で日々ぶつかっていくしかない。傍観者はいらない。現実をしっかりと見据え、地に足を付けて壮大な夢を紡いでいきたい。