| 上勝町月ケ谷温泉での新しい試み 
 上勝町の月ケ谷温泉で楽しいそうなことが始まろうとしています。それは、地元の女性たちに、月ケ谷温泉のまっさらのレストランをお貸しし、昔ながらの田舎料理のみを提供するというもの。「昔の料理を教えてください」というチラシを町内に配布し参加者を募って試食会を開催したところ、好評でした。   そのときに集まったメニューや思い出された昔の料理を抜粋する。  
 菱餅。ういろう。
 こえかりもち(白と草餅がある)。
 柏餅(サンキライの葉)。
 おみいさん(夏はかぼちゃ。冬はサトイモ、サツマイモなども使った)、
 地イモのズキ菓子、
 氷豆腐(通しによあさ10時ぐらいに干す。勝手に凍っている。黒いけどうまい。凍るときにということで正月用にこしらえた)。
 ヤコメ(ご飯がおいしくなくなるようになったら、お茶でかしとく。農作業が忙しくなる前の6月。塩で味付け)。
 みそ(小麦を蒸してあぜ豆を混ぜる)。
 蕎麦(蕎麦米の粉をひいた自家製)、
 きなこ豆のきなこ。
 五穀モチ(アワ、ヒエ、キビ、タカキビ、コキビ)。
 コキビのご飯。
 芭蕉寿司(お盆)。
 小豆と切り干し芋をたく料理(ほんのりと甘い)。
 わらびと干し大根をたく。
 ウドの酢みそ合え。
 菜めし(だいこん葉。しんこを取って塩だけで炒める)。
 わさびの葉(湯をかけてしならせる。すしにも使う)。
 春の七草。
 秋の七草。
 しぶくさ、いたどりは、塩をつけておやつ代わり。
 やまいも(じねんしょ。1月〜2月は灰汁が少ない)。
 むかごのご飯。
 あゆ雑炊。
 きびだんごの吸い物(寒にさらすとうまい)。
 つぶり麦、よまし麦。
  
 まだまだたくさんあるのですが、一部を写真でご覧いただくとして、100%地元で取れる食材のみを使った料理を出すというもの。プロの料理人ならまずはメニューを考え、それに合う食材を集めるでしょうが、ここでは食材からメニューを考えます。昔からの素朴な家庭料理をお出しするので、プロの料理人でなく地元のおばさんたちが適任なのです。 上勝のおばさんたちは多忙なのでおそらく昼間だけの営業になるでしょう。といってもパートではなく、出来高に応じて売上を分配することになると思われます。自分の創意工夫がひとに喜ばれ、売上が上がるから楽しいでしょう。 一汁五采を「お膳」に盛りつけて出すとしましょう。お膳というのは、ひとり分を載せる膳で昔はそれを使っていた生活の道具です。ときどきは遊山箱に入れるのも楽しいかも。遊山箱は上勝の杉で地元の大工さんにつくってもらう予定です。もともと生活の道具だから漆塗りなどせずに、杉の生地そのままでいいのです。必要な人は遊山箱を買ってもらうとか。   県内で地元の食材を使った料理のみを出すところはほとんど見当たりません。例えば、海部郡にもアンロクの料理をはじめ、昔ながらのおいしい料理や浜節句などの伝統行事があるのですが、それらを提供する飲食店を知りません。 素朴で気取らない粗食は、豪華な会席料理に食べ飽きた飽食の現代人の五臓六腑にしみわたることでしょう。しかも地元のばあちゃんの笑顔を添えて。彼女たちは、生活の糧を得るための仕事をしながら昔ながらの食文化を未来に伝え、そのなかに込められた持続的な社会のあり方に向けてのメッセージとなるのです。 (実現に向けて現在企画調整中です)。参考写真1 参考写真2
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