初めて語られるいろどりの背景と横石さんの独白 |
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上勝町いろどり〜毎日出荷する葉っぱの影に365日の熱意 徳島県上勝町は、勝浦川の上流域に位置する人口二千人余りの四国でもっとも人口の少ない町です。この町は、木の葉で2億5千万円を売り上げる「いろどり」ビジネスで有名です。「いろどり」とは、会席料理などに添えられるつまもののブランドで全国有数の産地です。 かつて柑橘類の宝庫であった上勝町は、昭和56年の寒波でみかんが全滅。人々は生活の糧を失います。そんななかでJAの若手職員であった横石知二さんが料亭でもみじを大切そうに眺める女性客を見てひらめきます。最初は売れなかったいろどりも、商品力を高め、やる気を高めることで今日に至りました。 いろどりは特許を取っているわけでもなく、上勝にしかない特別な木の葉を使っているわけでもありません。それなのに、上勝いろどりの優位は動きません。 なぜなら、ほんとうに大切なものはマネができないからです。それは、新鮮な感動を失わず、挑戦しつづける横石さんの勇気。いろどりの農家の人たちを励まし続け、町内外に向かって情報提供を続け、共感を大切にする地道な行動です。 横石さんは「人は気持ちの持ち方で変わる」と言います。いろどりの出荷農家には平等なビジネス機会が与えられていますが、毎日自分の順位が(高齢者に扱いやすい特別開発の)パソコンでわかることで、農家の人たちには競争心や試行錯誤によって向上する気持ちが生まれます。やる気の出るしくみをつくり、そのシステムに日々思いを吹き込み続けているのです。 横石さんが活躍する上勝町は、ごみの34種類分別を行いごみゼロ宣言を行う環境立町でもあるのです。 横石さんとは、(株)上勝バイオの取締役会で、あるいは月ケ谷温泉、月の宿の活性化等について意見交換を行ったり、365日メールをいただくなかで、休むことなく、上勝(日本の典型的な中山間地)の活性化を考えておられます。どうすれば、まちが元気になるか? どうすれば、くらしが成り立つか? 横石さんの人生をかけた関心事、生きがいでもあるのでしょう。 今回の本は、横石さんが、沈黙を破って初めてひとに語る内容も含まれています。ぜひ、ご一読くださればと思い、紹介いたしました。 アマゾン書店のリンクです。送料無料です。 横石知二 「そうだ、葉っぱを売ろう! 〜 過疎の町、どん底からの再生 なお、本の印税は、横石さん個人ではなく(株)いろどりに帰属し、新たな上勝活性化の原動力となることでしょう。 (平井 吉信)
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