自分で自分を雇用したいさ〜(創業2年目・晴れ時々曇り)
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3月のとある日。東京の売れっ子女性コンサルタントとの会話。「創業支援(創業塾)てやること決まっているよね。でもよく考えてみると自分が創業したときにプランをつくったり数字を練り込んだりしなかったなあ」(ぼく)。「わたしもそう。あんなむずかしいプランをつくったり、創業計画書や数字の見積もりはしなかったわ」(彼女)。 紺やの白袴という落ちに終わらせずにもう少し続けてみよう。ではどうしたかっていうと、「最初の数ヶ月は、先輩のコンサルタントに同行して現場で仕事を見せてもらった。そのうちこれならわたしにもできる、独立しようと思った」(彼女)。ぼくが創業したときは「徳島でそんなもんで飯食えないよ」と言われたけど、逆に言えば、耕されていない広大な畑が目の前に拡がっていたって感じ。一度も営業することなく実績を積み重ねて畑を開墾してきたかな。なにごともやってから悩めば?というのが創業経験者としての感覚です。 創業塾のプログラムが無意味だとは思いません。これから創業する人たちが自らの手でビジネスプランをつくることで「自分の仕事を客観的に見る目」を提供するのが創業支援策(創業塾)の役割だと思います。 でも、やっているうちに軌道修正(試行錯誤)する方法を学ぶことが、緻密なプランづくりよりもっと大切ではないでしょうか。何人かの創業を見守りましたが、うまく行っている人は約1/3ぐらい。その人たちに共通しているのはビジネスコンセプトがわかりやすい(独自の土俵をつくっている)こと。 20代女性姉妹が徳島市内でカフェを開業した事例では、当初、禁煙のカフェなんて止めたほうがいいと周囲は猛反対したそうですが、ぼくは数少ない賛成者で背中を押しました。結果は成功。お客様を選ぶ店がお客様に選ばれるという真実をご存知ですか? 失敗例も見てきました。当初からコンセプトが絞り込めなかったうえに、さらに希薄になっていくパターンがその典型。あれもこれもお客様に言われるからと取扱商品やサービスを増やしていく。そうすると資本利益率の低下とキャッシュフローの減少、生活者からは、何をウリにしているかというイメージが希薄となり、自分の土俵が見えなくなっていく。結果として、売上増えても利益(所得)変わらず、忙しくなる(リスクが増大する)だけ。 間違ったコンセプトなどないし、それが市場で受け容れられるかどうかも問題ではないのです。ただ独自の土俵がひとりよがりにならずに人々の共感を得られるよう、たゆまず信念を持って啓発していくだけ。絶対に譲れないところ、柔軟に変更させていくところを見極め、的確に変化させていく感性と心理の匂いに敏感であること。その裏付けとしての数字の読み。これらの点について創業後間もない人たちとともに、自分たちで生きた事例として考える実践型ワークショップの私塾を始めてみようかなと思うこの頃です。 ▲戻る |