泳ぐ〜静と動の律動の繰り返し コンサルタントという仕事は多忙で不健康と思う人もいるだろう。あるいはストレスがたまると思う人も少なくない。でもぼくは好きでやっているのでストレスは感じない。ときどきプレッシャーを感じることはあるけれど、それだって生きる力の源だから肯定的に受け止めている。そうしてまたひとつ山を越えていく。 ぼくの体型や身体能力は10代後半と比べてもほとんど変わっていない。176センチ、64キロ。特にスポーツをやり続けているわけではないけれど、その時々で、登山やテニス、水泳、バトミントン、テニスなどをやっていた。 毎日やっていることといえば、投球練習ぐらいかな(練習というと少し違うけど)。これはボールを持たずに理想の投球フォームを思い描きながら身体を動かす。動かしながら、身体の中心を意識し、軸がぶれないまま重心の動きに手足、腰が追随していく。ピッチングをするための練習ではなく、動きながら自分の手足の位置を掌握し、身体の中心は一定という感覚を楽しんでいる。これは二十年ぐらいほぼ毎日のように続けている。といってもクラブや部活としての野球の経験はない。球を投げれば140キロ近くは出るのではないかと思っているのだけれど。 ここ数年やっているのは水泳。仕事の合間に1時間だけ泳ぐ。間隔が空きすぎないよう1週間に少なくとも1〜2回はプールに行く。今年の夏にできたばかりの阿南市にある施設は、スタッフも(可愛い女性が多く)笑顔で気持ちがいい。 海や川が遊んできた。その延長上にプールでの泳ぎがあるのだけれど競技経験はない。まずは、ストレッチから始める。筋肉を伸ばすことは楽しい。時間をかけてゆっくりとやる。次に水中歩きでほぐす。それから自由形に入る。最初の5百メートルを過ぎることから、身体のリズムが水と同調し、このままどこまでも行けそうな気分になる。マラソンでは身体が楽になり精神が高揚する状態があるらしいが、そんな感じ。そのまま1キロを過ぎ、2キロをめざす。何も考えない。考えようとしないし思い浮かばない。ただ身体の内側から沸き上がるリズムを感じて単純な運動を繰り返す。ぼくの泳ぎは早くない。1500メートルで半時間ぐらいはかかる。 あまり長く同じ泳ぎを続けると飽きるので泳ぎを変える。平泳ぎや古式泳法、背中を向けてのかえる泳ぎで遊ぶ。平泳ぎでは、身体がまっすぐになる瞬間に水中を移動する感覚が好き。身体はリラックスしながらも一本の芯が通っていると自然と速度が上がる。なるべく大きな動作を心がける。頭を沈めて次に頭を上げるまでに距離が伸びると気持ちがいい。静と動の入れ替わる感覚が脳に新鮮な感覚を呼び覚ます。平泳ぎは特にそれが濃厚に感じられる身体コミュニケーションだ。 こうして約1時間が過ぎ、また事務所に戻って仕事を続けるけれど、脳に酸素が送り込まれてまた違ったアイデアが出る。行き帰りの時間を含めて約2時間弱の空白を取り戻す。 泳いだ直後に歩くと胸の筋肉が分厚くなっていて歩くと揺れる。腕も盛り上がっている。そんなときにアミノバリューを飲む。体液の電解質に近いので吸収されやすいことと、アミノ酸を補給して疲労を軽減することがねらい。2キロを泳いでもまったく疲れはない。 昨日と変わらない今日、でも何かを付け加えることができた。「明日死んでも後悔はしない」と思う。そんな日々を積み重ねるだけ。一見変わらないことを淡々とやっているように見える。そのなかに未来につなげる芽がきっとあると思うから。 ▲戻る |
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