風の回廊、おもしろいよ。隠し味と森の精霊に癒されてみては
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あらすじ せみなし川のほとりで二人の小学生菜摘とわたるが懸想文売りに出会う。懸想文とは恋文のことで、それを売るおじさんは、葉っぱがお金という。 不思議な名前の六月二十五日橋という橋があるが、その由来は誰も知らない。ある日、菜摘とわたるは、せみなし川のほとりで絵を描いている抄子と、せみなし川の調査をする建設コンサルタントの照男とも知り合う。 その頃まちではお金が葉っぱになる事件が続出。懸想文売りのおじさんが怪しいとにらんだ4人は、とある日曜日、懸想文売りが消えたきびたき山へと向かう。沢登りの途中ではぐれた菜摘をわたるが見つけて救い出し、頂上で感動的な再会となる。 実は菜摘とわたるは、頂上へ向かう途中で白き国へと迷い込み、そこで、みまさという女性に出会っていた。みまさの話から、風の妖精についての重要なヒントが得られる。 風の祭りの由来をみまさから聞いた二人の話を聴いて、抄子と菜摘は涼 谷のおばあさんと出会うが、その日がおばあさんの命日だったことが、 おばあさんの旧友だった三木家を訪ねたときにわかる。 一方でせみなし川には、都市計画と一体となった総合開発が持ち上がり、わたるの耳打ちで市長(実はわたるの父)は、市民参加の審議会方式で話を進めていく。委員の一人となった抄子に、照男、菜摘、わたは協力する。 こうして4人の創意工夫と熱意で世論を動かしせみなし川が市民参加の事業となった。 ある夜、パソコン画面に現れた不思議なメッセージから、4人が照男のアパートに集まり、菜摘とわたるは、月の光に誘われて涼谷へ向かう。みんなが集まったところで、六月二十五日橋と風の祭りの秘密が結ばれるラスト2行となる。 森の精霊や魑魅魍魎との出会い、随所に散りばめた逸話など、物語に秘められた隠し味に、書いた本人が読みながらわくわくしています。 疲れたときに読めば、背筋がぞくぞくするような思いと、森の存在に癒されますよ。 → 「風の回廊」本編 (2003年6月18日) ▲戻る |