身の回り、未来、地域から地球へ
目先のことは大切だ。「どのように資産増やそうか」「あの人にこのことを連絡して承諾をもらっておくとうまくいくだろうな」「外出のついでにアポを取ってあそこに寄って置こう」。目先のことが大切なのは、時間と空間がもっとも濃密にいまと関わっているからだ。

目先のことを考える時間ばかりで一日が終わるわけではない。そうでない時間に十年後のことを考える。「生活設計としてこれだけのお金がいるからこれだけの運用が必要だな」「○○年までにこのことをしておきたいから、3年計画でこれこれを準備しておこう」「やりたいことがたくさんある。優先順位と締め切りを決めて時間を集中的に使う人生戦略を立てよう」。これは今の自分自身の時間軸を未来にまで拡げること。

そうでない時間にもっと広い範囲を考える。「このまま行くと、百年後に地球平均で6度気温が上昇する怖れがある。自分として何ができる?」「川が好きだけど、未来の子どもに川を残してやるには何をしておけばいい?」。これは、身の回りの空間を拡げて地球に思いをはせること。

いまそこにいる自分の座標から、「身の回り」「時間軸を未来に拡げる」「空間を広い範囲に拡げる」の3つの考え方が「生きる」ことのプロセス。「身の回り」ばっかりに偏ってしまって、未来もまわりも見えなくなり、結局は自分自身を見失う。言い換えれば、自分のことしか考えないのなら、自分自身も見失う。それがいまの時代ではないだろうか。

地球が危機的な状況にあることは、心ある人の共通理解だと思う。けれど志がある人は決して悲観せず、どうすればよくなるかを絶えず考え、自分でできることから、地域でできることから実践している。

空と海、平井吉信はどこまでできるだろう。不安と焦りが1割、それでもやらなければの使命感が半分、「やってみたい」「きっとやってみせる」の未来への希望が残り3割、残り1割は後悔しない覚悟。

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