十七いくつ越えた
星の光が吸い込まれて
空の立体が少しずつ高くなっていく夏の夜明け



自転車を漕ぎながら海辺のまちを疾走する十七の少年
心の動きを足が受け止め 足の動きを心が感じる
押し寄せる波 からだの疼きをひたすら前へ


波の前奏曲 風の伴奏 アスファルトの鼓動
いくつも越えた十七の夏
いまも越えられない十七の夏


photo by yoshi