百年つづく国、千年つづく地域
統一地方選挙が幕を空けた。徳島県では、県議選において、前知事の不信任を出した勢力が大きく減退することとなった。

この不信任提出には理(ことわり)がない。前知事が理想的な政治を行ったどうかは疑問としても、その公約、政策実現を妨害してきた勢力が県議の任期直前に行ったもので、誰が見ても肯定されるものではない。そのことは提出した人たちが一番よくわかっていたことではないか。

もう特定の人々や団体のための政治はやめよう。自分だけがよければの選挙はやめよう。目先の私欲を得るための利権構造によってこの国の金が膨らんでいく。こうしておとなになる子どもたちには夢が見えなくなる。不況不況、仕事がないなどと言う前に、自分ができる最善のことをやってきたのかどうか胸に手を当ててみる。今のあなたの不遇は、あなたの10年前に蒔いた種の結果であって世間が悪いのではない。

知事の職に就く人は、既得権をすべて無に帰して理想の徳島を高い空に描き、それに向かってゼロから土台をつくる気概を持って欲しい。そんな知事であれば、県民は全力で支援する。国が変わらないなら、地域が、徳島から変わればいい。

どうか百年や千年の目を持って、この国の行方を、いきいきとした未来の地域のありかたを一人ひとりが真剣に考えよう。政治(選挙)なんて誰がやっても同じ、と斜に構える人が、「国や県は何もしてくれない」「自然が破壊されて残念」「仕事をくれ」などと嘆く資格はない。義務を果たす人のみが権利を主張できるとぼくは信じている。

義務を果たすとは? 真実を知ること。悪気はなかっても「知らなかった」では済まされない。もっと勉強しよう。もっと身の回りのことを知ろう。そして選んだ政治家が責任を果たしていないと知ったら、働きかけよう。

5月18日には知事選がやってくる。政治に過度の期待は禁物だ。しかし嘆いてばかりや物欲しそうに群がったりするだけでは、これまでとなんら変わらない。なぜなら、政治家は有権者の良識が育てるもの。

大切なのは、誰が選ばれるかではなく、誰が選ばれても住民が積極的に自分たちの地域づくりに参加すること。そして政治家を動かすこと。傍観者のままでは、この国の未来も、あなた自身の未来も決して開かれることはない。

真摯に志を立てた人たちを応援する。自治体が行うワークショップや研修会に参加して自分の意見を持ち、それを発信する。NGOやボランティア団体で楽しく活動してみる。そんなふうにどんなささいなことでもいい。こうすればよくなると思ったことは、すぐに実行していこう。

人生も地域づくりも小さなことの積み重ね。決してあきらめない。負けない。ぼくは明るい未来を胸に描いて生きていこう。

▲戻る