国土保全奨励制度全国定期研究協議会で勝浦川流域ネットワークの活動を発表
<勝浦川流域ネットワークの活動を紹介>

 平成14年5月30日に、徳島プリンスホテルにおいて国土保全奨励制度全国定期研究協議会定期総会が徳島県の担当で開催されました。全国から同協議会に加盟している県の職員ら約100名の集まりでした。
 そのなかで、特別講演として「流域住民で守る農山村の豊かな自然と文化〜勝浦川流域ネットワークの取り組み 〜」という演題で米田潤二副代表が次のような講演をしました。

 講演時間は40分間。まず54枚のスライドも用いて勝浦川の上下流域の模様や当ネットワークの活動状況を紹介しました。予めイメージを作ってから補足的に説明するという手法でした。まず、上流域は上勝町の高丸山から樫原や横峰や八重地の棚田、中流域の勝浦町の渓流、河口域の勝浦川橋付近と川の表情の変化を見ていただきました。続いて、創立記念行事の畠山重篤氏の記念講演や子ども達の発表の様子、おむすび山の植樹、棚田の学校の稲刈りや収穫祭、水生生物の観察、干潟観察、とれとれ市での上下流域の子ども達の交流など4年間の主な活動を見ていただきました。

 補足的には、設立の経緯、趣旨、メンバー構成、活動の基本スタンス、里山の学校と苗木づくり活動、徳島県の千年の森づくりへの関わりなどの補足説明をしました。力説した点は、上流域と下流域を常に意識して、それぞれの良さを関連づけること、流域住民と常に交流をしながら活動すること、子ども達が必ず参画していくこと、などです。 今後の方策として、14年度総会で確認し合った「遠大にして壮大な夢物語・勝浦川流域全体を森でつなごう」の説明をしました。

 この構想を説明することによって、これまでの点の活動が、森でのつながりによって線の活動として連動し、より明確になってくるということでおおよその理解が得られたような感触でした。資金的には潤沢ではありませんが活動を通して備蓄したもので運営は可能ですが、さらに基盤を強化するためにNPO化も視野に入れていることも付け加えました。最後に、論外ながら21世紀の大問題「水と食料自給危機」についても触れました。

 この結果は、追って報告書として製本されてくるようですので、その折りには皆さんにご覧いただけることになっています。

 講演の後、各地の行政の担当者から徳島県へ相当数の問い合わせがあった由、これからの国土保全活動の最も重要でかつ必要性のある地域住民と連帯した活動を、当ネットワークが、すでに実践していることに強い関心が寄せられたようで、自信を持って活動を続けていくべきだと痛感しています。