赤松川、足を浸ける潜水橋
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狭く急な坂を下りていくと…

潜水橋で仏像のように寝そべっているのは、川ガキ写真家の村山氏

潜水橋から上流は河畔林に囲まれている

上流側から見た「足を浸ける潜水橋」


日和佐川上流と赤松川上流は、もっとも短いところで1キロ程度しか離れていない。片方は太平洋へ注ぎ、片方は大河那賀川へ合流して紀伊水道へと運ばれる。どちらの川にも5万分の一地図にも載っていない小さな潜水橋がある。

潜水橋は架橋コストが安く、洪水の際には水没して妨げとならず、水面に低いため、最短距離で両岸を結ぶことができる。転落事故がときどき起こるということで、徳島県内でも抜水橋(高架橋)に更新されている。しかしコンクリート構造物という合理的機能的なオブジェでありながら、川がそれを無理なく受け容れているようにも見える。

この潜水橋のたもとには流れ込む沢があって、そこにサンショウウオがいる。婚姻色が出ている個体を別の個体(どちらかがオスでどちらがメスなんだろうけど)が追いかけていた。沢を覆い尽くすように、水辺にうっそうと植物が繁り、水生生物にはいい環境が残されている。

急な坂を下りるようにかけて潜水橋と対面した。

なんとも言えない風情。豊かな河畔林を従えて楚々と流れる赤松川にそっと置いた小さなコンクリートの潜水橋。橋に座って足を伸ばせば水面に届きそうなこじんまりとした風情。国土地理院の五万分の一地図にも載っていないこの橋を、「足を浸ける潜水橋」と名付けた。


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