「WEBに感じること〜その2」( 2000.2月)


 郵政省の「通信白書」(平成11年版) によると、日本のインターネット使用者は98年末で約 1,700万人と推計。この値は、国内人口の15%弱に当たります。

 情報通信総合研究所の調査では、99年4月現在のわが国のインターネットユーザー数は約 1,800万人、うち週1回以上利用するユーザーは、61.8%、人数にすれば 1,100万人となっています。

 さらに「インターネット商品やサービスを購入した経験がある」のは 人口の21.7%、約 390万人で、半数近くの購入者は、98年7月以降にインターネットショッピングを開始しています。インターネットでの買い物経験者が400万人を突破した昨年1999年は、まさに電子商取引が本格化した年でした。

 インターネットで購入される商品の購入頻度を見てみると、「書籍」「コンピュータ関連機器」「デジタル・コンテンツ」「パッケージソフト」「旅行関連商品」です。1人平均の購入商品・サービスは 1.7種類、購入回数は 2.8回、1年間の購入金額では30,700円でした。

 ちなみに私が昨年オンラインで買った物は、パソコン、周辺機器、書籍で、総額は30万円程度。なぜオンラインで買うのかといえば、買い物に行く時間がないからです。例え買い物に行ったとしても必要な情報は店員さんの頭のなかにあり、売る側の立場にいる人からどれほど客観的な情報を引き出せるかを考えると面倒なのです。なじみの店で買うという人間の心理は、この課程を省略できると信じているからでしょう。

 自分の購買心理を振り返ってみると、WEBが何を提供すべきなのかが見えてきます。

 時間がない→信頼できる情報が欲しい→提供しているサイトはないか?→検索する→あった→画面が早く表示される(移り気な検索者たち)→知りたい情報項目がある→見よう!→これだ→ほかの人の製品評価も載っているぞ→思った通りだ→よしこれに決めよう→まてよ、価格は高くないか?(別のサイトで比較する)→信用できる会社かな(情報安全性、プライバシー、会社の信用度)?→いけそうだ、決めよう。

 さて、お客様が購買の決断をしました。問題はここからです。いざ注文が来た。迅速で円滑な出荷態勢はとれるか? 在庫が必要だが手持ち資金は? 売上が上がっても粗利益が低い場合は、忙しくなるだけで資金繰りが大変。信頼感を得るまで持つかどうか、オンライン専門の商売は想像以上に大変なのです。

 店舗販売をしているお店なら、店頭でこう表示してみてはいかがでしょうか。「お得な商品情報、役に立つ活用法をメールでお届けします」。店頭に来なければわからないから、店頭に来る頻度が少なくなっているとしたら、店頭に来る頻度を上げるためにWEBを活用、気に入れば実際に足を運んで買い物をする、実際に買った第三者の評価も入れておく(メルマガの発行やオフ会を主宰するのも手)---これが地域WEBの使い方です。

 不特定多数でコストの高いチラシ(作成にかける労力は大変ですね)と比べて、思い立ったらすぐに発信できるWEBなら、きめ細かなイベントが打てるわけです。従来は費用対効果で広告を打つべきかどうか考えていましたね。ところが売上を考えて最大多数に訴える内容にせざるをえないので、個性がなくどこも同じような企画になってしまうのです。その呪縛から解放されたとき、「小回りのきく経営、きめ細かなプレサービス(商品を買う前)の情報提供」)が可能となります。

 インターネットの本質が物販ではなくて「コミュニケーション」に根ざした心理作戦にあることがおわかりいただけたと思います。情報を提供しているのはお店であっても、お客様が情報を主体的に選択利用し、結果としてお客様が主人公になれるのがWEBと言い換えてもいいでしょう。