「売りたい価格で売れる過程を設計する」
人口が減るということは、ほとんどの産業で市場が縮小します。売れないと、すぐに価格を下げる事業所が続出するでしょう。
売りたい価格で売れたらどんなにかいいでしょう。アイデアの一発屋に終わらせないためには、そこに至るまでの道筋を構築する必要があります(左ページの表をご参照ください)。
たびたびお伝えしてきた「理念と戦略と日々の行動を一致させる」ことはもちろん、理念をメッセージとして社内外、地域へ浸透させ、それを守り続けることで、価格志向では語れないこころの絆という信頼感で結びついた関係が生まれるかもしれません。
そうなったとしても大儲けはないかもしれません。あるいは、順調に推移するうちに魔が差して「ほんもの」がニセモノに変わってしまうかもしれません。だからぶれない経営軸としての経営理念が必要です。
理念が定まれば行動あるのみ。いつ、誰が、何を、どのようにするかを落とし込みます。経営を続けるためにはお金が必要ですが、いくらお金を用意しても、顧客がいなければどうにもなりません。もっとも大切な「顧客」が見えているでしょうか?
ときに水の流れのようにうつろう顧客。その姿がどうすれば見えるのか。顧客に合わせたマーケティング―こんな大切なことをほとんどの企業はやっていないようなのです。
まずは顧客を見えるようにしましょう。確かに顧客は千差万別で人それぞれでしょうが、付き合いたい顧客の共通イメージってありますよね。普段よく買っている人の顔を思い浮かべてみましょう。
- 年代層は?
- 時間消費の態度、多忙度はどうか?
- 年収は600万を超えているか?
- 友人知人関係では、仕事関係を重視するか、それとも趣味の関係を重視するか?
- 結婚式には、何人ぐらいを招待するか?
- よく見る雑誌は?
- インターネットの活用度は高いか?
- 乗っているクルマは、セダンか? ワゴンか? ミニバンか?
- 服を選ぶときに重視することは素材か? 価格か?
- 和洋テイストへの嗜好性は、和風か、洋風か、あるいは折衷か?
- 趣味にお金をかけるほうか、かけないほうか?
- 携帯電話の利用度は高いか、低いか?
- 音楽の好みは、インストか、ヴォーカルか?
- 目立ちたがり屋か?
- 本をたくさん読むほうか?
- 気に入らないことがあれば、クレームをはっきり言うほうか?
- 友人を家に呼ぶほうか?
- 食生活への態度は、健康重視派(ストイック)か、味覚追求(グルメ)か?
- カロリーを気にするか?
- 何を生きがいとしているか? 仕事、趣味、家族、ボランティア…
- 庭のある家に住んでいるか? 高層マンションに住んでいるか?
- 現在の生活への満足度は高いか?
- 挑戦する気持ちを持ち続けているか?
- 親と同居する場合が多いか?
- 温暖化防止に関心が高いか?
- 日本の伝統芸能(能、歌舞伎、浄瑠璃等)に関心はあるか?
- 庭のある家に住んでいるか? 高層マンションに住んでいるか?
- 自分の書斎を持ちたいと思っているか?
- 辞書を引くのが好きか?
- 学歴は高いほうか?
- 有機野菜、無農薬野菜、トレーサビリティ、残留農薬等に関心は高いか?低いか?
- 食生活への態度は、健康重視派(ストイック)か、味覚追求(グルメ)か?
- 長寿、アンチエイジングに関心は高いか?低いか?
- 食育に関心が高いか?
業種によって設問は異なります。あまり相関性のない(結果に影響しない)質問もあるかもしれません。が、答えていくうちに顧客像がぼんやりと見えてきます。これを顧客のプロファイリングとぼくは呼んでいます。
そうして浮かび上がった人物像に近い実物の人を探してください。友人知人、身の回りにいるはずです。その人たちに売りたい商品やパンフレットを見せて感想を聞いてください。「買いたいですか?」「なぜ、そうですか?」「どこがいけないですか?」「どうすればいいですか?」。簡単な方法ですが、マーケティングの精度はぐんと上がります。
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