「変えざるを得ないこと〜Windows7へ」


Windows7は優れもの

 ノートパソコンで7月に試験的に導入したWindows7を約一か月をかけて動作を検証した。ほとんどのアプリケーションは動作する、ないしは動作しなくても解決できることがわかった。その対策とは、1)最新版の導入/アップデートを行う。2)Windows7の互換モードでインストールや起動を行う。3)Windows XPモードを使うのいずれかである。ただし、XPの次のWindows Vistaで動いても7で動かない場合があるということ。 Vistaと7は同じプラットフォームを持つOSであるが、仕様の変更がかなりあるようだ。
 総じてWindows7は優れたOSである。一部の新機能に戸惑いやお節介を感じる部分はあるものの、それらは慣れによる経験と解除法がわかっていれば問題ない。さまざまな意味で、Windowsにおいては「7」は現時点では最良の性能と機能を持つことが納得できた。

慣れで済ませられる?

 慣れた操作が変わると不満を持つのが人間である。逆に、不便に慣れてしまえば文句を言う人は少ない。前回も話題にしたキーボードがそれで、現行のキーボード「QWERT」の配列は、英語を打鍵するにも、日本語を日本語または日本語をローマ字で入力するにも能率が悪い。指が疲れる、打鍵速度が上がらないなどストレスが感じられるはずだが、文句を言う人が少ないのは「人は慣れる」からだろう。「普通のキーボードに慣れたら?」とパソコンに詳しい人によく言われたものだが、そもそも日本語を作成するのが仕事、日本語を打つのが楽しみな人間にとって、キーボードは文豪の万年筆のような存在である(手段であって目的ではない)。

暫定的結論 XP機の新規導入

 Windows7への移行を試行して、現時点ではメインのデスクトップ機へのWindows7の導入は見送ることとした。パソコン購入費とは別に、移行費用が直接費だけでも数万円、間接費(人件費)を考慮すれば数十万円に及ぶ。さらに、移行や設定に長期間かかることが予想されて機会損失が大きいこと、キーボードの問題(Windows7対応ドライバーがないこと)が解決しえないことである。
 それなら、現状のまま使えばいいではないかと思われるが、現行のWindows XP Professional機は2004年の導入であり、情報を格納するための内蔵ハードディスクがパラレルATA接続である。ほぼすべてがシリアルATA接続になった今、ハードディスク(パソコンでもっとも故障しやすいパーツ)が不調になれば業務が停滞する。望むと望まないとに関わらず、移行を余儀なくされている。

仮説 XPをいまの仕様で動かしたら?

 それでは、Windows XP Professionalは現時点でどの程度の性能なのかを検証するために、2004年導入の現行機にほぼ同じ仕様(PATA、500GB)の新品ハードディスクを探してきて(これが前述のように大変。1年以内にパラレル接続のハードディスクが市場から消えるかも)Windows XP Professionalを新規インストールした。
 その結果、起動は劇的に早く快適になり「Windows XP Professionalはまだ使える」という感想を持った。最新のパソコン環境(複数コアのCPU、高速化されたプラットフォーム、シリアルATAのHDDを備えた最新パソコン)にXPをインストールすれば快適に動くことは間違いない。 
 現時点での仮説は、新たなWindows XP Professionalの新機種を導入し、段階的に移行していくことである。

結論 古きを活かしながらの段階的な導入で解決

 新しいWindows XP環境を構築したうえで、時期を見てWindows7を導入すれば、リモートデスクトップという手法で、7からXPのパソコンを動かす(乗っ取る)ことができる。例えるとこんな感じ。
 ある企業の工場で、長年経験を積み、仕事も確かで従業員にも信頼されている工場長「X」がいた。しかし彼も定年が近づきつつあり、新たな事業展開には追随できない部分が見えてきた。そこで、新分野に強い責任者「7」を工場長より上の役職で置いた。「7」は、従来の分野は「X」に任せるので(外注や仕入先との信頼関係があるため無理を聞いてもらえることもあるだろう)、工場長Xの役割や権限は変わらない。こうして段階的に新分野「7」の作業を増やしつつ、時間をかけて従業員を習熟させ、設備を更新することとした、というものである。
 そうすれば、プリンタドライバーやWindows7では動かないソフトの問題は解決する。ネットワークの設定さえ行えば、Windows7機を買ったその日から、XP時代の資産をすべて活用できる。これが私の事業所での現実的な導入プロセスであると結論した。

 専門用語が飛び交うわかりにくい説明となったが、小さな個人の事業所でも新規OSの導入は、検証と試行により解決できる要素とできない要素の見極め、移行の費用と時間の見積もりなどリスクと可能性を天秤にかけながら無理のない移行プロセスを設計する必要がある。中小企業が安易に導入する事例が散見されるが、よほど精通した人が時間を費やしてリスクを詰めていかないと業務の停滞や機材、アプリケーション総入れ替えの大事件となる。日経パソコンの調査では、現時点でも企業の導入OSのトップはWindows XPとのことである。パソコンは誰でも使えるが、トラブルに遭遇しやすい。特にセキュリティの問題は深刻であるが別の機会に。

なぜ地デジなの?

 地上デジタル放送の導入に伴うアナログ放送の停波が約1年後に迫ってきた。個人的には小さな画面の高解像度ブラウン管の画質が気に入っている。映像に詳しい人なら納得されると思うが、15インチのテレビ用高解像度ブラウン管ディスプレイの映像は、小さな窓から切り取った風景のように柔らかな陰影と立体感がある(かなり以前に製造中止)。いまの大画面のプラズマや液晶テレビは、ぎらぎらした塗り絵のような不自然な鮮明感が目を刺激して長時間見ていられない(添加物や化学調味料の料理に慣れると味オンチとなるが、視力への影響は心配ないのだろうか?)。販売店の店頭では、色彩やコントラストが目立つよう「デモモード」になっているのかもしれないが、設定を変えても良質のブラウン管映像のような立体感に乏しく、のっぺりとした印象は拭えない。しかも大画面ばかりで困ったものである。対策として、ケーブルテレビや光テレビの導入、アンテナの建設などが考えられるが、引っ越しも想定されるので無駄な設備投資はしたくない。

 地上波デジタルは電波の有効活用のためと説明されている。しかし、ケータイは欲しい人に行き渡り、内蔵されている機能やコンテンツはほとんど活用されておらず、大半の人は電話とメールぐらい。テレビにお金をかけてまで画質の向上や多チャンネル化などの利便性を求める人ばかりではない。
 対応できない世帯のために無償でチューナーを提供したとしてもその原資は税金であるし、設定や接続がわからなくて困るだろう。利便性を錦の御旗に掲げて地デジ化を進めれば、津波の情報さえ伝わらない「ハイテク難民」が出現する。それを解決するのは行政ではなく、自治会やNPOなどのゆるやかなつながりを持った自主組織(「新しい公共」)かもしれない。
 年金や社会インフラ維持(30年後に老朽化した橋を誰が建て替えるのか?)の将来の見通しが立たない現状で、費用と効果が不透明な政策に「仕訳」と検討を行うべきではないのだろうか?

 

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