「ケーブルテレビの活用法」
 ケーブルテレビは石井町内でもっとも普及しているメディアである。しかも次年度には設備更新が予定されている。これによって高速双方向通信が可能となる。操作に困難を極めるパソコンと違って、誰にでも扱えるテレビを利用するため、熟年層でもケーブルテレビの活用はイメージしやすい。石井町内で昨年末に行われた生活者500人アンケートでは、30代以上の年代においては半数以上がケーブルテレビでの買い物に積極的であった。しかも熟年層へ行くほど高くなる。

 石井町には大型商業集積の進出が確実視されている。しかし上記のアンケートの結果は、大型店と棲み分けながら中小商店の存在意義を見出せる可能性を示している。こうしたビジネスチャンスに対し、大切なのは「最初に商売ありき」にならないことである。まずは人が集まる(石井町の人が見たいと思える)コンテンツづくりが課題となる。

 そのためには、これまでの産業界の枠組みを越えて、商工業者、農業者、ボランティアグループ/NGO、行政などさまざまな関係者が参画して率直な意見交換をする場が必要である。商工会は、そんなしくみの立ち上げに向けてリーダーシップを発揮して欲しい。

 ケーブルテレビには、双方向コミュニケーションが可能である。寂しさを抱えて生きる現代人に、身近であってほっとするような、参加したくなるようなコンテンツが魅力的だ。以下にケーブルテレビの活用法のイメージを雑然と挙げてみた。

  • 地域のあの人がこんな商品使ってみましたと語りかける「私のおすすめ」
  • お遍路さんを接待する日と場所のお知らせ(ボランティアとお接待)
  • 川や道路の清掃をするお手伝い募集 スポンサーは○○商店で、参加者には××進呈
  • 石井町をリサイクルする〜「要らなくなった○○売ります」町内オークションの開催
  • 要らなくなった○○差し上げます…町内相互扶助
  • ペット自慢(うちのゴンタ、毛並みつやつや、一度会いに来てね)
  • 迷子のペット君見つけてね
  • 健やか赤ちゃん(△△ちゃんです。おばあちゃんが名付け親、やさしい子になあれ)
  • ゴミ分別収集(今週の火曜日は、○○地区がビンを回収します)
  • 看板娘のひとこと(今度入荷した桜モチおいしいんでよ、買いに来てな)
  • 観光ボランティア募集(旅人やお遍路さんをご案内。案内する地域の人も楽しい)
  • イベント情報(バザー、交換市、カルチャー教室、勉強会などなど) 
  • 石井町ワンストップ相談室(商品選び、行政施策、イベント開催などに対する質問を投げかけると、誰かが回答するようなしくみ) 
  • 行政情報(当番医やゴミ収集日など) 
  • テストマーケティング(これ、買いたいですか?と商品を見せてお客様の反応を見る)
  • 障害者を支援してくださいコーナー(石井町ユニバーサルなまちづくり計画)
  • こうしたヒトの流れ、集まりをどう商売に活かしていく?

 インターネットでは困難な地域密着型のコンテンツが可能である。そうして魅力あるソフトに人が集まれば、それを商売に結びつけるのが知恵である。まずは、人を集めるのではなく、「集まる」こと。そのためのしかけをこの1年かけて考えてみたい。


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