リストバンドがあるからそうかなと思うけど、
腕時計と分かるまで時間がかかる。
いったいどこで時を知るんだろう―。

分かる人は「いま何時何分だ」とすらすらと答える。
わからない人は、なぜその時刻なのかわからない。
これだけで初対面の人と話の花が咲く。

腕を伸ばして地球の球形を眺めると、月から見た地球の大きさになる。
太陽は、258メートル先に置いた直径2.4メートルの球。
   
腕時計の地球は1日に1度自転する。ベゼルの素材はチタン。
時計本体(コアモジュール)は
腕時計から切り離して置き時計として使えるよう段ボール製の紙箱が付属している。
ベルトはスポーツなどで使われる新素材ソフィスタ。しかもこれで100メートル防水。
リチウム電池は10年の寿命。2001年度グッドデザイン賞受賞。

1日に何度かゆったりとした地球時間を思い出してみよう。

地球腕時計wn1のムーブメントは、
さまざまな耐久試験を経てセイコーインスツルメント(株)の盛岡工場で
一つひとつ手作業で作られている。
ガラスは沼田光器。曲面の精度はレンズと同じぐらい必要らしい。
成形に名人芸を要するチタン製のケースは林精機製造(株)。

「この小さなカラダに、時を刻む仕掛けがぎっしり組み込まれています。人体の機能の果てしなさに宇宙を感じるように、時計のムーブメントにも内包された宇宙があるよう」と設計者。

この商品は、Think the Earth プロジェクトの第一弾として企画された。
売上の5%がNGOなどに寄付される。

珈琲を飲みながら、しばし腕に付けた時計を眺めるひととき…。
腕に付けた地球はきょうもまわっている。